株式会社東日本肥料の緑化本部
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各種分析
土壌分析・土壌物理性解析
機器分析と現場に沿った精度ある分析を
肥培管理の指標となる土壌分析にはあらゆる分析法が存在します。
現場レベルで考えた時に最適な分析法は何なのか、分析結果から何を読み取れるかで今後の肥培管理が大きく変わります。弊社は植物の生長を大きく左右する土壌の化学性の確認を分析精度にこだわり、機器分析による分析法を採用しております。
分析結果から読み取った数値に基づいて肥料、改良剤の施肥量、商品選定までご提案させて頂きます。
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pH
水素イオン濃度のことで、1/10^x =-logxのxで表示するものです。 例えば、pH 7とは、水素イオン濃度が1/10,000,000 ということになります。それをpH 6に下げるということは1/1,000,000 にするということであり、水素イオン濃度を10倍に高めるということで、大変なことです。
ベントグリーンの目標pHは5.5~6.5で、5.5~6.0が理想です。弊社では、1,500検体以上のベントグリーンでの土壌分析を行い、芝生と分析結果を毎年見比べて、そう感じていましたが、L.B.マッカーティ博士のゴルフコースベストマネジメント3rd edition 上 p.426にも同様なことが書かれています。 痩せ地を好む高麗芝の理想値は5.0~6.0です。
2つのpH 塩類集積
水抽出(土壌1に対して、水2.5の割合)で測定したpHを土壌酸度といい、塩化加里抽出で測定したpHを置換酸度といいます。土壌中の水素イオンは、土壌溶液中に含まれているものと土壌粘土コロイドに吸着しているものとがあります。
土壌溶液中の水素イオン濃度を測定したのが、水抽出のpH(土壌酸度)です。
塩化加里で抽出したpHは、土壌粘土に吸着している水素イオンはイオン化傾向がH+より高いK+に置換されて出てきます。
つまり、土壌溶液中の水素イオンと土壌に吸着していた水素イオンの合計の濃度を測定したものであるということです。
通常の土壌であれば(塩基飽和度60~80%程度)、粘土コロイドに吸着された水素イオンが塩化加里抽出によって、水素イオンが加里イオンに置換され土壌溶液中に出てくるので、水抽出pHよりもKCl抽出pHのほうが水素イオン濃度は高くなります。そうなれば、水抽出pHよりもKCl抽出のpHのほうが低くなります。一般的に、健全な土壌はpH(H2O)とpH(KCl)で1程度差があるのが通常です。
極端に少ない場合、例えば0.7以下の場合などは塩基飽和度がかなり高く、塩類集積の可能性が高いと判断できるでしょう。
塩基置換容量(C.E.C.)
土壌粒子は、(-)の電気を帯びていて(+)の電気を帯びている肥料成分(塩基)を保持する力があります。上図に示すようにマイナスの電気を帯びた土壌粒子は、いろいろな種類の塩基を置き換えて結合します。この性質を、土壌粒子の「塩基置換能」と呼び、土壌粒子が帯びるマイナスの電気の数を土壌粒子の「塩基置換容量」(C.E.C.)で表します。
塩基置換容量の大きい土壌は、肥料成分をたくさん吸着・保持することができ、肥料成分の滅亡・損失を防止する力が大きいです。同時に吸着した肥料成分を芝の要求に応じて供給する調節機能を持っています。
ゴルフ場のベントグリーンにおいては、砂を目土で使うことがほとんどなので、全国的には3から5 me程度のゴルフ場が多いです。
塩基飽和度と塩基バランス
塩基飽和度とは、土壌粒子のマイナスの腕にどのくらいくっついているかを表すもので(%)で示します。塩基飽和度が80%を超えた土壌では、アンモニアを吸着保持する土壌粒子のゆとりが少ないために、アンモニアが土壌溶液中に溶けだし、施肥障害を発生する要因となります。一方、塩基飽和度が60%以下の土壌では、アンモニアの吸着は強く、施肥障害の危険性は少ないですが、芝の窒素吸収は遅れて、生育を遅らせることになります。
塩基飽和度60~80%が理想という場合、もうひとつ問題になることは、塩基のバランス、つまり石灰、苦土、カリのバランスです。カリが多いと苦土が効かなくなり、苦土欠が誘発されるとよく言われています。このように、2つの塩基同士がけん制しあうことを拮抗減少といいます。石灰、苦土、カリの間にはこうした拮抗減少が起こるので、これら3つの塩基はバランスがとれていなければなりません。一般的には等量比で、石灰、苦土、カリの比が5:2:1のバランスが良いとされています。つまり、塩基飽和度80%というのは、土壌粒子の陰荷電の5割を石灰が、2割を苦土が、1割をカリが、そして残り2割をアンモニアが占めている状態をいうのです。これがバランスのとれた状態です。なお、拮抗現象は、この三者間にみられるだけでなく、石灰⇔マンガン、マンガン⇔鉄、鉄⇔銅の間にも存在することが確認されています。
下表に示した通りアメリカの文献ではさらに細かく分類されています。
表:マカーティ博士「ゴルフコースマネジメント3rd edition」から抜粋
BCSRとSLAN
土壌分析の数値をどう解釈するかについて現在は主に2つの考え方があります。1つは利用可能栄養素充足レベル(SLAN : Sufficiency level of available nutrients)という考え方、もう1つは塩基性陽イオン飽和率(BCSR : basic cation saturation ratio)と呼ばれるものです。
利用可能栄養素充足レベル(SLAN )
土壌中に存在して植物が利用することのできる主要栄養素、すなわちカルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、イオウ、および微量栄養素である、鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素の実際のレベルと、土壌が植物にそれを供給できる能力とを評価しようという考え方です。その上で、分析結果でレベルの低かった栄養分を施肥として投与すると植物がどのような反応をするのかを評価します。SLANは土壌から抽出できる栄養素とターフの反応とを相互に関連付けようとするもので、その基本は、ある栄養素のレベルが上昇すれば、芝草はその栄養素に対する反応を高め、最終的には一定の限界(あるいは閾値)レベルに達する、という伝統的な考え方に基づいています。各栄養素の含有量は「低」、「中」、「高」、「非常に高」といった表現で言い表されることが多いです。例えば、リンのレベルが「低」であった場合、リンを投与すれば芝草の成長が改善されるであろうということです。逆に、土壌分析報告書においてリンの含有表示レベルが「高」、または「非常に高」である場合、リンを投与しても芝草からの反応は見られない可能性が高く、「非常に高」ではさらにリンを投与するとむしろ他の栄養分とのアンバランスが発生する可能性さえあることを示唆しています。各分析機関が使用する測定値は、露地や温室の土壌の数10年に及ぶ分析結果から導き出されたもので、様々な土壌タイプや植物の経験が反映されています。SLANは土壌分析結果の解釈方法としてもっとも研究がなされ、様々な土壌、および植物にもっとも多く用いられている方法です。
塩基性陽イオン飽和率(BCSR)
土壌の陽イオン交換サイトで多数を占める塩基の陽イオン(主にカルシウム、マグネシウム、カリ)には、作物がもっともよく生育できる「理想的な」比率が存在するという考え方に基づいています。この評価方法は、土壌のC.E.C.を正確に把握することが必要です。そして、多くの土壌分析機関では、バランスのとれた「理想」土壌とはおよそ80%の塩基飽和度を持つ土壌であるとしています。具体的には、交換サイトの65~85%をカルシウムが占め、6~12%をマグネシウムが占め、2~5%をカリウム、そしてナトリウムは2%以下、微量陽イオンが3%、そして残り(10%以下)を水素イオンが占めるものが理想であるとしています。Ca : Mg : K で見ると、13 : 2 : 1 という割合となり、このような土壌栄養素の「バランスのよい」状態が植物の生長に「理想的な」状態であるとしている。個別の栄養素の比で表現すると、Ca : Mg = 6 : 1、Ca : K = 15 : 1、Ca : H = 3 : 1、Mg : K = 2 : 1という関係であります。このように陽イオンが「バランスのとれた」状態になると、土壌はより良い団粒構造をとるようになり、浸透性や透水性が向上するという考え方があります。
一般的に、保肥力の高い(C.E.C.の高い)土壌ではBCSRの考え方でC.E.Cの低いサンドベースの肥培管理をするようなところではSLANの考え方が現実的採用されています。
アメリカのゴルフ場のグリーンの分析では、メーリッヒⅢ抽出による分析方法が一般的ですが、それをアメリカのSLANの考え方に基づき、日本の酢酸アンモニウム抽出分析に換算すると下記の数値が理想となります。
・K2O 7.5~17.5㎎/100g ・CaO 5.0~7.5㎎/100g ・MgO 10~20㎎/100g
塩基飽和度と土壌pH
一般的に土壌pHと塩基飽和には相関関係があり、塩基飽和度が60%以下では酸性土壌になり80%以上では高pHまたはアルカリ土壌となります。
土壌pHと塩基飽和度とは一見、何の関係もないように考えられるが、以上のように深い関係があります。
pHとは、水素イオン濃度を表すものです。土壌中に水素イオン(H+)が増え、水酸イオン(OH-)が減少すると酸性になり、水素イオンが減少して、水酸イオンが増えるとアルカリ性になります。この現象を水素イオン濃度の増減で表したのがpHです。そして、Pは、自然対数を表し、そのためにpHは14段階で表されます。
炭酸ガスが水に溶けると、水(H2O)と炭酸ガス(CO2)が反応して、炭酸イオン(CHCO3-)と水素イオン(H+)とに分かれるので、水は酸性になります。生石灰(CaO)を水に溶かすと、水酸化カルシウム〔Ca(OH)2〕を生じて、アルカリ性となります。それで、土壌のpHは、土壌中に含まれる水素イオンの含量と、水酸イオンの含量の差によって決まります。
塩基飽和度が小さいということは、一般に、土壌粒子に吸着している塩基が少なく、その分、水素イオンが多く吸着しているということですから、塩基飽和度が高くなると、土壌粒子に吸着している水素イオンの数が少なくなるので、pHは高くなり、アルカリ性に傾くのです。
ECと陰イオン
土壌溶液の塩類の指標に電気伝導度があります。
土壌中の塩の種類は多く、土壌中の塩の濃度を測定するのに、塩の種類ごとに測定することは、大変繁雑です。それで、各種塩類を一度に測定する方法として考察されたのが、土壌溶液の電気伝導度を測ることです。電気伝導度の英語(Electrical Conductivity)を略してECとも呼ばれます。
土壌溶液の電気の伝わる量を電流計で測定したのが電気伝導度であり、ミリモー単位で表します。この数値が大きければ塩類濃度は高く、小さければ塩類濃度は低いことになります。
土壌溶液の塩類濃度を高めるのに最も影響力の高い成分は、塩類と硝酸です。このうち、塩素は、肥料の種類に気を付けるなどによって、土壌中の含有増加を防止することができます。
しかし、硝酸については、直接、硝酸態窒素を施さなくても、アンモニア窒素が硝酸化作用によって、硝酸に変化して増加します。なお、有機質肥料を施した場合、あるいは良質の堆肥を増加した場合には、硝酸態窒素は、土壌微生物の働きによって、いわゆる畑脱作用によって、減少する場合もあります。このように硝酸の量とECは直接に関係しています。一般には、土壌100g当たり、硝酸態窒素が25㎎あれば、電気伝導度が1.0ミリモーになるという関係があります。硝酸態窒素の安全濃度は土壌100g当たり12.5㎎とされていますから、電気伝導度は0.5ミリモー以下に抑えるような肥培管理が望まれることになります。そして、ECが0.5ミリモー以下にならないと、窒素肥料の追肥を行ってはならないと指導されるのです。
窒素(AN,T-N,NN)
酸態窒素(NN)、アンモニア態窒素(AN)と窒素全量(T-N)との関係
ベントグラスにおいて土壌からの窒素の供給はほぼ硝酸態窒素の形で根部から吸収されています。
窒素全量の多くは有機体窒素で微生物により分解され、アンモニア態窒素になり、さらに分解され硝酸態窒素になります。ベントグラスはほとんど硝酸態窒素の形で窒素を根から吸収します。
冬場は温度が低く水分が少ないため、分析するとアンモニア態、硝酸態の窒素が少ないです。春・秋は、温度と水分がほどほどなため、供給量はほどほどになります。6月~9月、日本の気候では高温多湿なため、かなり多くの窒素量が与えなくても、土壌から予期せぬ形で供給されることになります。
全国的にベントグリーン床土に含まれる窒素全量を測定すると、平均約50g/㎡(50㎎/100g)の窒素を含んでいます。
土壌水分、地温、土壌微生物活性等によって日々変化する土壌中のAN、NNを測定するより、ベースになる窒素全量を土壌分析によって理解し、その年の天候に応じて窒素の吸収を抑制するような資材を散布したり、エアレーション、バーチカル、サッチング、目砂等を行ったり、必要に応じては窒素を補ったりすることのほうが大切であると考えます。
リン酸
有効リン酸 世界中の土壌分析法の中で常に問題になるのがリン酸の分析法です。リン酸は土壌中の鉄、アルミなどと結合し不溶化しやすい肥料成分です。植物は、根から根酸を出し、その酸に含まれる弱酸によって不溶化したリン酸を少しずつ溶かし吸収しています。その根酸の濃度は土質やその植物の違いによって変わります。植物が出す根酸に近い形の酸によって抽出したリン酸を測り、有効リン酸と呼びます。
日本農学会に基づくトルオーグ法で用いる0.001M硫酸+硫酸アンモニウムは、pH3で、皆さんご存知の通りく溶性リン酸の代表であるヨウリンも溶かす酸ですが、ベントグラスの根粒はそれほど強くなく、もしそうならベントグラスの床土はもっと酸っぱいにおいがするはずです。
弊社では、下記のような0.5%クエン酸溶液でも良く溶けるが水では溶けずに土に固定されにくい骨りんを3~4月の基肥に利用しております。
リン酸・リン酸吸収係数
リン酸は水に溶けにくい塩、化合物をつくります。水溶性のリン酸を土壌に施すと、土壌中のアルミニウム、鉄、石灰などと結合して、水に溶けにくい難溶性リン酸に比較的速やかに変化します。この力を土壌のリン酸吸収力と呼び、乾土100g当たりに吸収されるリン酸の量を㎎単位で表し、リン酸吸収係数と呼びます。
リン酸の上手な施肥の仕方
資料1:ベントグラスの植物体中のリン酸の季節変動
資料2:リン酸の含有率の平均値の推移
上の資料1は、ベントグラスの植物体中のリン酸の季節変動を表したものです。ベントグラスの芽の動く2月前半から4月後半と衰退する6月後半から9月後半にリン酸の含量が落ちているのがわかります。根の生育の旺盛な2月中旬から3月下旬には上の資料2のような水には溶けないがごく微量の酸に溶けるリン酸の施用が有効です。また、6月後半から9月後半のリン酸含量の落ち込みは根部からの吸収があまり期待できないため、第一燐酸加里、亜燐酸加里、有機錯体燐酸等の形で供給することが有効であると考えます。
粒径
圃場容水量
弊社では、テキサスA&M大学ベアード博士の芝生研究所より圃場容水量測定装置の設計図を購入し、作成しました。これは水位を変化させ、一度水位を飽和状態(最大容水量)まで上げて安定させた後、動水を落として圃場容水量(大雨が降った後、動水が落ちて植物が利用できる水分量)の状態がつくれる装置です。
通常、青森砂4%弱、利根川・鬼怒川砂で4%強程度です。
グリーン床土であれば、そこにピートもしくはセラミック系土壌改良剤を加えて、6~8%程度でそこそこの透水係数になるように混合し、テストを行います。
透水係数
上記の装置を使って、圃場容水量に水分状態をコントロールした砂、土、土壌改良剤等を一定の締固め(Standard)を行ったものをその3倍の締固めを行ったものを測定。
炭酸カルシウムを多く含む砂ですと、仮に粒径や見た目は良くとも、雨水等に含まれる酸で砂が劣化し、風化している砂が時々あり、造成後、グリーンにすぐに水が浮いてくるケースがあるので注意が必要です。そうした場合は、スタンダード締固めの透水係数より3倍の締固めの透水係数が極端に落ちます。
葉身分析
毎月2回の健康チェック
肥培管理の良し悪しをチェックする指標の一つとして弊社では近赤外分光光度計を使って葉身内の成分分析を行っています。芝生の刈りカスを定期的に送っていただき分析することで、各成分含有量をチェックし、肥培管理状況を判断することができます。
確かな信頼と実績
年間を通じて、およそ4,000検体の分析を繰り返してきた実績があり、数十年蓄積してきたデータをもとに、どの時期に何を施肥すると健全な芝作りに近づけるのかを模索する上で、頼もしいツールとなります。
●結果の見方と考察
●光合成とは何か?
~一番大切なのは炭素=貯蔵養分=カロリー=電力=エネルギー~
●貯蔵性炭水化物=貯蔵養分
●ベントグラスの夏越しを良くするには?
1.4カ月(生殖生長時期)の黒字を大きくする方法
2.8カ月(栄養生長時期)の赤字を小さくする方法
①6~9月の徒長をコントロールする。
②可溶性炭水化物+マンニトールの補給
③散水
結果の見方と対策
表1:マッカーティ博士「ゴルフコースベストマネジメント3rd edition」から抜粋
資料1:葉身中の窒素全量の年次変動
表1はアメリカの葉身分析についての評価方法の代表的な例を示しました。
一方、弊社では以下の通りに考えます。
資料1は葉身中の窒素全量の年次変動、季節変動を示したものです。例えばG.W前後にベントグリーンの葉身中の窒素含量を考えてみますと、表1の春の時期では5.00~6.00%が望ましいと書かれていますが、この時期に4%以上ありますと、ボールの転がりが遅くパターをする気にはなりません。
逆に、2.5%以下だと葉身が固すぎて見た目は良いのですが、短く刈ったタワシの上でパターをしているような感触で、ベントグラス独特のやわらかなスムーズな転がりが出ません。
したがって、G.W前後では2.5%~4%程度(3%程度がベスト)が適切であると考えます。
一方、窒素含量の毎年ピークとなる、9月下旬から10月上旬において、日本のゴルフ場のベントグラスの葉身中では5%前後で推移し、4%を切ることはほとんどありません。したがって、季節のはっきりしている日本では季節変動に応じてそれぞれの季節ごとにどの程度の窒素全量が適切かを考えるのが正しいと思います。それぞれの季節ごとに弊社の葉身分析データ(資料2,3参照)の、最高値・最低値を表示し、2週間おきに平均を緑色でグラフ化したものと、頂いた供試体のサンプルを2週間おきに青色で見られるようにしているのもそのためです。
資料2:葉身分析結果報告書
資料3:各栄養成分の含有率の推移
光合成とは何か?
一番大切なのは炭素=貯蔵養分=カロリー=電力=エネルギー
光合成とは単に、「水と炭酸ガスからブドウ糖をつくっている」のではなく、「植物は光エネルギーを取り入れて、ブドウ糖の中に光エネルギーを蓄えている」のです。光合成によって電力を作り、生長のためにエネルギーを使い、残りを「貯蔵性炭水化物」として蓄えています。
貯蔵養分(貯蔵性炭水化物)
C3植物であるベントは光合成効率が悪く、5万ルクス(lux)程度で光飽和を向かえるといわれています。それが夏から初秋にかけて、ある一定量以下になっていきますと、ベントグラスは衰退し、ある一定量以下になると溶けてしまいます。従って、光合成全量(全炭水化物)から生長やすぐに消費に使ってしまうもの(全糖)を引いたもの(貯蔵性炭水化物)が一番大切です。貯蔵性炭水化物と一番大きな相関関係があるのが葉身中の窒素です。
上記の表からわかりますように、貯蔵性炭水化物と窒素は明確に負の相関関係があり、生育期間中(栄養成長時期)では窒素を完全に切ってしまうと根の活力が落ちて生育が悪くなり擦り切れ、踏痛め等の回復も悪くなりますが、窒素が効きすぎると、貯蔵性炭水化物が落ちてしまいます。
ベントグラスの夏越しを良くするためには?
上のグラフは過去3年間におけるベントグラス葉身中の貯蔵性炭水化物の月別収支を示したものです。ゴルフ場のグリーンキーパーがベントグリーンを夏越しさせるためには、8か月赤字で4か月黒字の会社の収支をプラスに持っていくのと同じようなことを考える必要があります。このグラフは、弊社が過去40年葉身分析を行ってきてほとんど変わりません。
まず、4か月の黒字をできる限り大きくすること、2つ目に8か月の赤字をできるかぎり無駄遣いを減らして少なくすることです。
1.4か月の黒字を大きくする方法…貯蔵性炭水化物を蓄積する方法
①霜が降って、ベントグラスの生育が止まってきたら良質のぼかし肥料を散布する。
11月頃氷霜がふったら 超熟25g/㎡
12月頃本霜がふったら 超熟50g/㎡
1月 超熟 25g/
ベントグラスは一般的に日本の気候では3月から10月が栄養生長(肥料を入れたら入れただけ上に伸びる時期)、11月から2月が生殖生長(上に伸びずに貯蔵性炭水化物を体内に蓄える時期)に分かれます。おいしいリンゴを作る農家は霜がふってからお礼越え、寒肥とそして化成肥料ではなく、ぼかし肥料(発酵した有機質肥料)を散布しています。それはなぜでしょう?
② なぜ、ぼかしの肥料を生殖生長期に散布すると貯蔵性炭水化物が蓄積するのか?
上の図はリービッヒの無機態理論といい、植物は無機態のものしか吸収されないと長年言われてきましたが、近年それは間違いであったことが証明されてきています。
光合成効率が悪く、貯蔵性炭水化物が不足しがちなC3植物であるベントグラスに散布する窒素はできるだけ無機態窒素ではなく、カロリー付き窒素をお勧めします。アミノ酸態窒素もしくはペプチド(ぼかし肥料か良質堆肥)で供給すべきであり、それにともない微生物活性を高めていきたいものです。
東京大学新井綜一博士「食品ペプチドの栄養と食料」によると、根の周りの土壌微生物の働きが良ければ、低分子のペプチドで吸収されていることが証明されています。
つまり、低分子のペプチドの状態の肥料、ぼかし肥がカロリー付き窒素として貯蔵性炭水化物を蓄積させるのに一番効率がよいのです。
1982年に葉身分析を始めてから2003年までの葉身分析でベントグラスはほぼ毎年冬場のピーク時の貯蔵性炭水化物は16%程度でしたが、生殖生長の時期に良質なぼかし肥料を散布することを提案するようになってから貯蔵性炭水化物の平均値が20%を超えるようになってきています。これは凄いことだと思います。
2.8か月の赤字を少なくする方法…徒長のコントロール
①6~9月の徒長をコントロールする。
下のグラフは弊社で土壌分析、葉身分析を行っている6コースの葉身中の窒素全量年内変化、月次の窒素の施肥量の変化をグラフにし、下に土壌中の窒素全量を表したものです。
6コースの土壌中の窒素全量の平均49.40㎎/㎡
6コースともに6~9月の時期には窒素の施肥量は控えていますが、葉身中の窒素量は高くなっているのがわかります。これは土壌中に含まれる有機体の形の窒素が高温多湿な日本の夏では硝酸化成によって分解され、予期せぬ形でかなりの量の供給がされていると考えられます。安定してベントの夏越しをするためには6~9月に窒素の吸収をコントロールする必要があるのです。
梅雨入り前に緩効性化成肥料をあえて窒素成分量で2.7g/㎡散布して、窒素をしっかり効かせて、その後窒素吸収をコントロールすると思われる資材を散布して単価面積当たりの刈り取り量を乾燥重量で表したものです。
芝奉行(コロイド珪酸+硫酸マグネシウム)、カルストップ(乳酸カルシウム)、有機酸カルシウム(クエン酸カルシウム)、ST(ストルファイアゾール)、ジシアンジアミド(硝酸化成抑制剤)で散布後の結果、上記の通りで、一週間ごとの変化を下記に示しました。
②可溶性炭水化物+マンニトールの補給
2018年7月11日弊社のある群馬県太田市の隣町熊谷市で、41.1℃の日本最高気温を記録しました。その日の弊社の最高気温はウェザーステーションで40.8℃で、0.3℃ほど日本記録には及びませんでしたが、朝9時頃から夕方まで、ムワッとするような熱風がずっと吹いており、3時過ぎに弊社のベントグリーンを覗きに行くと、ベントグラスの3つのコロニーのうち、1番弱いコロニーだけが黄ばんだ症状、俗に言う「ヘタった」症状を呈していました。
7月14日にヘタった症状のグリーンの半分に可溶性炭水化物「リドックスH85」を0.5g/㎡散布してみました。
すると、一週間ほどで黄ばんだ(ヘタった)症状が消え9月中旬に無処理区が元に戻るまでずーっとH-85 0.5g/㎡ 散布区だけヘタりが取れていました。
①で徒長のコントロールをしても、土壌中の有機体窒素の分解でどうしても6月から9月には、根部から硝酸態窒素の形で窒素が吸収され、細胞内の液胞中にNO3‐Nが蓄積されます。
日照不足だったり、ベントグラスの貯蔵性炭素化合物が不足してくると、カロリーを使って、NO3-Nをスムーズにアミノ酸に変化させにくくなり軟弱徒長していきベントグラスは溶けていきます。
高温多湿の夏場にそのようなことを防ぐには、吸収の良い形の炭水化物(=糖類≒エネルギー)の補給が必要であり、マンニトールが有効です。
上のグラフは7月中旬から10月中旬まで可溶性炭水化物であるフルボ酸、フミン酸とマンニトール(葉身中の硝酸態窒素をスムーズにアミノ酸に変えられる吸収の良いアルコール発酵抽出エキス)の入っているリドックススプリームと葉面からでも根部からでも吸収するリドックスCaSi(イオンの形のCa2⁺とSi⁺⁺をマイクロカプセルに入れた資材)とを混合して殺菌剤のローテーションに入れて散布したコースの葉身分析の結果です。通常10%前後で推移する夏の貯蔵性炭水化物量が平均14%程度で、しかも安定した数字で夏場が推移しているのが解ります。これは5月下旬から6月上旬の数字で、これを見てもいかに安定して夏越しをしたかわかると思います。
【散水】ベントグラスの自生するエリア西岸海洋性気候から考える
ベントグラスは西岸海洋性気候のエリアに自生する植物です。
西岸海洋性気候とは夏は寒流がきて比較的冷涼で乾期であり、冬は暖流がきて温暖で雨期の気候のエリアのです。
したがって、ペプチドの形でぼかし肥料を散布しても、水と一緒に養分を吸い上げるので、乾いていると養分は吸収されません。なので、冬の生殖生長の時期は散水をしっかりめに行いましょう。
一方、夏は乾期に自生する植物ですので、萎れない程度に散水することが望ましいと思います。
キャピラリー電気泳動
キャピラリー電気泳動
生育状態と栄養素の関係を探る
最近作物の出来が良くない。
土壌分析を行ったけれど特に問題が見当たらない。そんなときに作物自身を分析すると原因がわかるかもしれません。
成分の相関関係を探る
実と葉の成分の相関関係を知る。
それによって葉を分析するだけで実の成分量を予測する。
葉の分析結果に基づいて肥料を調節し作物内の成分をコントロール出来たら、より安定した品質の作物が作れると思いませんか。
ホウレン草での一例
群馬県昭和村で7月収穫のホウレン草のえぐみ低減試験を行いました。
夏場のホウレン草は暑さで枯れてしまったり、病気や腐りが多くなり、えぐ味も増しやすいです。
- Redox Supreme 100mL/反 使用
- 二回の散布(7月17日及び7月25日)
- 二回の散布コストは830円/反
生産者様からの要望は、夏蒔きの過酷な環境下でも生食で食べられるくらいえぐみを抑えたホウレン草を栽培したいというものでした。
えぐみの代表成分でもある硝酸値の変動をキャピラリー電気泳動を使い測定しました。
ホウレン草出荷部会 個別データ
Redox Supremeを散布した結果、食味や棚持ちが向上し、それが売り先から評価され、生産者Eのみ取引相場が約3割アップしました。
1反当たりの収量も向上し、200,000円/反の売上アップ。199,170円の利益が出ました。
レタスでの一例
2017年、8月の群馬は記録的日照不足に襲われました。当時の気象データでも降雨日数が20日間という記録が残っており葉菜類の品質に大きな影響をもたらした年となりました。
- Redox Supreme、CaSi 300㎖/㎡ 使用
- 殺菌剤、殺虫剤散布時に、合計で2回の散布
Redox Supreme、Casiをその年から使用頂き、例年以上に出荷先(特に関西等の遠方地)からのクレーム率が下がり、出荷数に対するクレーム率は部会内でも最少となりました。
バイヤーからも荷受け時の腐敗も少なく高評価を貰い、圃場廃棄のレタスも減少したとの事でした。
収穫後レタス
慣行区 収穫一時間後の写真
収穫直後から軸の酸化が始まり、赤く変色する。
箱詰めし、出荷先に到着する頃には更に劣化し、腐食が進行。
リドックス試験区 収穫数時間後の写真(未洗浄)
Supreme、CaSi使用圃場の株においては収穫後、軸の変色が殆ど無い状態。
出荷先(大阪)到着後も酸化や腐敗が殆ど無く、バイヤーから高評価頂く。
ベントグラスでは?
一方ベントグラスにおいては、夏場になると葉身中に硝酸態窒素を多く蓄えるため、夏越しが悪くなるが、硝酸イオンからアミノ酸への変換を促進する資材(マンニトールを多く含むRedox Supreme)を活用するとともに、細胞壁を固くすることによって窒素の過剰吸収を抑制する資材(Redox CaSi)を同時吸収させることによって、ベントグラスがスムーズに夏越しできるようになります。
病害菌検索
東大植物病院と提携し、白石顧問(全国植物医協会会長)より病害虫対策のご指導を頂き、社内研修も毎月していただいております。
社内で分からない病害虫に対しても同定・検索及びその対策をご指導して頂いております。
今後、難防除の連作障害(土壌障害、細菌性障害、線虫害等)に対し、農薬だけでなく有用微生物や抗酸化物質等の耕種的防除を含めた総合対策プログラムで対応策が出せるよう試験を積み重ねて参りたいと思います。
病原菌培養
病斑が出ているが、何の病気か分からない。
そんな時に病気の主原因である菌と特定を行い、対策プログラムをご提案致します。
病気予防の観点を明確にし、その後の防除を的確に行うために各種薬剤による抗菌試験を実施しているほか、その発生条件の把握や対策プログラムの作成を行っております。
BF値
糸状菌類(Fungi)と細菌数(Bacteria)の値から土壌生物性を確認するB/F値を算出します。
バランスを確認することで罹病時の回復力を チェックすることができます。
顕微鏡観察
病原菌は多種多様でその防除対策は種類により大きく異なります。弊社では充実した設備の元、菌の分離・培養により病原菌を特定する為のデータ構築をするとともに、培養した菌の形などから主原因を特定します。糸状菌や細菌、線虫などの種類を確認し、防除プログラムをご 提案致します。
ピシウム
ラージパッチ
ダラースポット
日本芝立枯病(ゾイシアデクライン)
サッチ分解剤サンヘール
準備中
テイクオールパッチ
カーブラリア葉枯病(犬の足跡)
BF値
BF値(微生物活性の一つの指標)
1g当たりのバクテリアの量を1g当たりの糸状菌(カビ)の量で割ったものをBF値と言い、微生物活性の1つの指標となります。
・BF値2ケタ:滅多になりませんが、例えば、台風による大雨により土壌が水で飽和状態になり、酸欠の状態になってからその翌日にフェーン現象になって、熱風が吹いているような時にはBF値が2ケタとなります。そんな時に、病気(ピシウム・ブライト、赤焼病かピシウム病+炭疽病の合併症等)が発生し殺菌剤を散布しても、ほとんど効きません。ベテランのグリーンキーパーの方で、台風後のフェーン現象により病気が止まらず痛い目にあった方は夏場、台風が来そうになると、その前に必ず殺菌剤を散布しています。
・BF値3ケタ・4ケタ:通常、ゴルフ場のグリーンのBF値は3ケタと4ケタを行ったり来たりしています。エアレーションを行ったり、堆肥を散布したりすると1ケタ上がり、日照不足で雨が続くと1ケタ下がります。3ケタの状態だと殺菌剤を散布しないと我慢できなくなり、4ケタの状態だと多少病気が出てもエアレーションをすると回復します。
・BF値5ケタ:マメにエアレーションをして、ぼかし肥や堆肥を散布しているとたまにこの数値になります。
・BF値6ケタ:滅多にならないが、病気が出ないので業者泣かせな値です。
線虫検索
画像解析
東日本肥料のSC事業本部
SC事業本部について
株式会社東日本肥料は、令和2年4月1日よりスギムラ化学工業株式会社様から緑化事業部を継承させて頂きました。
メーカーポジションである継承事業を、弊社ではSC事業本部(事業部)としてスタートさせました。
SC事業本部(事業部)は、スギムラ化学工業株式会社様と同じく代理店販売を中心に行い、メーカースタンスでOEM製造も対応していく事業展開をしていきます。
SC事業本部(事業部)製品紹介
・フミン酸製品
Breaktime フミン酸
製品一覧
芝生用着色剤フルグリーン
フルグリーンにはSとG-20の2種類があり、それぞれを混合して散布することも可能です(他社着色剤との混用はできません)。
Sは自然な色合いをコンセプトとした濃緑色で、着色場所・芝種を問わずご使用いただけます。G-20は、洋芝グリーンでの使用をコンセプトに設計されており、淡黄色で落ち着いた色調を呈しています。
着色は、お客様が管理するコースに多くの恩恵をもたらします。
まずはプレイヤー目線。ティーグラウンドに立ってコースを見たとき、鮮やかに着色されたフェアウェイを前に気分を害するお客様はいないはずです。緑に浮かぶフェアウェイは、ラフ・バンカーとしっかり区別され、打ち出しラインも明瞭です。冬枯れしたコースに温かみを与え、プレイヤーの戦略意欲をかきたてます。
では、コース管理目線ではどうでしょう。着色の最大の効果、それは地温の上昇です。
着色による地温(地表面温度)の上昇が、晩秋から初冬の緑度保持、霜解けや融雪効果、初春の萌芽促進をもたらします。
◎緑度保持効果
コウライシバが青いうちに最初の着色をする。これはよく聞く言葉です。完全に冬枯れした葉よりも、乗りが良いのは確かです。しかし、もう一つ大切な効果があります。それが緑度保持効果です。
着色したホールは無着色ホールよりも緑に見える。当たり前ですが、決して着色剤の緑が映えているだけではありません。コウライシバの緑度そのものが保たれているからなのです。
上のグラフは、岐阜県Aコースにおける、無着色区と着色区における緑度保持葉の割合を示しています。季節が進むにつれ、コウライ芝の緑度は低下していきますが、それでも、11月中は着色区の緑度保持が平均で12%、12月も平均で約10%高い結果となりました。
◎初春の萌芽促進と生育促進
着色による地温の上昇は、萌芽にも影響を与えます。
下のグラフは、一定面積の萌芽数を調査したものです。着色によって、萌芽個体数が多くなることがみてとれます。また、萌芽した個体の生育も早くなるため(具体的には、分げつが進み葉の数が多くなる・葉幅が早く広がる)、萌芽個体数以上に緑度被覆率が高くなることも分かりました。
着色をすることで、冬枯れ状態からコウライシバ本来のコースに切り替わるのが早まるのです。
◎番外編・夏季着色
コウライシバフェアウェイにて、着色による地温上昇とその効果を紹介してきましたが、真夏のベントグリーンに着色するとどうなるのか? 地温が上昇して芝がダメージを受けるのか? そんな疑問を確かめた結果が下のグラフです。
刈り込みと天気の都合上、都度の測定となったため折れ線でなく定点で示してあります。結果として、冬季コウライシバほどの差はみられず、ベントグリーンもダメージはありませんでした。そればかりか、芽数調査の結果、芽数の落ち込みが減少していました。
上記試験の結果を受け、その後3年に渡って弊社圃場を含めた数か所で同様の試験を行いました。
その結果、いずれの試験においても、着色によって夏季の芽数の落ち込みが軽減されました。
Breaktime顔料と染料
染料は可溶性で顔料は不溶性です。そのため、染料は水と一緒に対象物に染み込むことで発色し(染色)、顔料は対象物に塗り付けられることで発色します(着色)。
染料インクと顔料インクで説明すると分かりやすいでしょうか。EPSON様のHPに次のような説明が載っていました。
「染料は水に溶けているため、水と一緒に染料が紙に染み込むことで印刷されます。一方、顔料は溶けていないため、紙に染み込みません。紙の表面に吹き付けられた顔料がそのまま紙に付着することで印刷されるのです。」
一般的に、顔料よりも染料の方が発色が強いと言われています。マーキング剤が少量でも効果が分かるのはそのためです。その代わり、水溶性のため雨や散水で色が落ちるので色持ちはよくありません。紫外線劣化など耐候性が弱いのも染料の特徴です。新品の色柄服を洗濯した際、色落ちしたり、別の衣服に色移りするのはまさしく染料の特徴と言えますね。
土壌浸透剤サンイーグル
お客様の抱える様々な乾燥害に対応するため、サンイーグルシリーズとしてSB-77、SB-88、SB-99、SB-200SPの4製品を取り揃えています。
4製品とも非イオン系界面活性剤で構成されており、国内で製造・Made in Japan です。
下表・図に製品の特徴をまとめました。お客様のニーズに合わせて、最適な製品を提案させていただきます。
製品荷姿は、※SB-99が1kg×10本/ケース、その他は5kg×2個/ケースです。
4月中旬からの春乾燥や夏の高温乾燥だけでなく、冬季の低温乾燥にもご使用いただくコースが増えています。その時々の状況に合わせて、最適な製品を選択ください。
※令和2年11月現在
Breaktime 界面活性剤
界面活性剤には天然界面活性剤と合成界面活性剤があります。卵の黄身に含まれるレシチンやたんぱく質のカゼイン、植物に含まれるサポニンなどが天然界面活性剤です。一方、合成界面活性剤とは人為的に合成された界面活性剤を指し、石鹸もこれに含まれます(以下、石鹸を除く合成界面活性剤を“界面活性剤”として紹介します)。
界面活性剤(surface active agent:surfactant)は、分子(構造)中に、水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(疎水基or親油基)の異なる性質を併せ持っています。通常、マッチ棒のような図(下図)で説明されます。
界面活性剤は、水に溶けたときに電離してイオンになるタイプとイオンにならないタイプの2つに大別され、イオンになるタイプはさらにその性質から、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤に分類されます。
アニオン界面活性剤はイオンになったときにマイナスとなり、カチオン界面活性剤はプラスになります。両性界面活性剤はプラスとマイナスの両方を併せ持ちますが、アルカリ域でアニオンに、酸性域でカチオンとなり、中性域で両性となります。
界面活性剤の構造は多岐にわたり、その構造によって、乳化・分散・浸透・濡れ・起泡・消泡・洗浄・殺菌・帯電防止などに関与します。
サンイーグルシリーズも、このような構造・機能を利用して設計されています。
植物活性栄養剤サンテイン
サンテインシリーズには、GT-1・GT-3(シリカ)・GT-6(Fe)の3品があります。下表に特徴をまとめました。
GT-1
機能性糖類が主成分です。日照不足時や、夏季終盤や春先の芝の立ち上げ時、厳冬期の養分補助など、年間を通して使用いただけます。
多くの製品と混合可能で、使い勝手の良い製品です。
GT-3(シリカ)
SiO2が主成分です。水に分散(希釈)させて散布します。Siの効能は周知の通りですが、そのためには効率よく芝に吸収されることが必要不可欠です。下記に、GT-3を用いた試験の一部をご紹介します。
GT-3試験例
試験では、水耕栽培を実施後に植物体の養分分析を行いました。そのため、取り扱いが容易で分析用に一定量の個体を回収できる、同じイネ科の燕麦を用いました。
様々なSi製品を蒸留水に希釈し、イネ科の燕麦を水耕栽培しました(写真)。一定期間栽培後、燕麦内のSiを分析したところ、GT-3区の燕麦地上部から多くのSiが検出されました(グラフ)。
一方で、Si量には製品間で大きな差があり、試薬の二酸化ケイ素区からはSiはほとんど検出されませんでした。
また、地上部だけに製品を処理し、根部をSiフリーで栽培すると、どの試験区の燕麦からもSiはほとんど検出されませんでした。
こうした結果から、GT-3は地上部ではなく根部から吸収され、吸収されたSiは地上部に運ばれることが示唆されました。また、他社品よりも吸収が良いことも分かりました。
GT-6(Fe)
GT-6はキレート鉄を含んだ鉄材です。キレートしてあることで、希釈液時や散布後のリンとの結合や酸化を防ぎ、芝の持つエネルギーを節約させながらFeを吸収させることができます。
GT-1・GT-3(シリカ)・GT-6(Fe)はそれぞれ混用して使用できます。また、GT-1とGT-3は、後述のサンオリゴンCaやサンオリゴンMgとも混用可能で、散布効率が良く、必要な養分を芝に同時に与えることができます(GT-6はサンオリゴンMgとは混用できますが、サンオリゴンCaとの混用は注意が必要です)。
Breaktime キレート
キレートと検索すると、「複数の配位座を持つ配位子による金属イオンへの結合をいう。このようにしてできている錯体をキレート錯体と呼ぶ。キレート錯体は配位子が複数の配位座を持っているために、配位している物質から分離しにくい。これをキレート効果という。以下略 引用:フリー百科事典 ウィキペディア」とありました。少々解りにくいですね。もう少し噛み砕いて説明しましょう。
キレートとは、ギリシャ語でカニのハサミの意味です。カニのハサミがキレート剤で、このハサミでFeイオンやCaイオンを挟み込むことをキレート効果と呼び、挟まれた状態をキレート錯体と呼ぶわけです。
例えば、鉄イオンはそのままでは酸素と結合して酸化鉄・いわゆる錆(サビ)になろうとしますし、リン酸と一緒になるとリン酸鉄になります。こうなると、元のFeイオンに戻すことは容易ではなく植物も利用できません。そこで、キレート剤でFeを固定(キャッチ)し、キレート鉄として安定な状態を保ってあげるのです。
サッチ分解剤サンヘール
サンフミンSI-605を紹介します。
◎製品外観:黒褐色微粉
自身で水に自由分散していきます。フミン酸ですので水に不溶です。
◎産地: アメリカ・ニューメキシコ州の特定の地層から採掘されます。
採掘したものも粒状製品として取り扱っています。この粒状製品(※OMRI認定品)から特殊製法でフミン酸濃縮液を作成し、エアドライによって微粉化したのがSI-605です。
特徴
機能性糖類が主成分です。日照不足時や、夏季終盤や春先の芝の立ち上げ時、厳冬期の養分補助など、年間を通して使用いただけます。
多くの製品と混合可能で、使い勝手の良い製品です。
GT-3(シリカ)
① 上記産地/製法により、高純度・高品質のフミン酸を含有しています。
② 産地=生成場所がユニーク
粘度が少なく砂質に富んだ地層で生成 → 砂質故に酸素が豊富。必要十分な酸化反応によって良質のフミン酸が生成されました。
海水の流入がなく淡水で形成 → 幾多の地層変動中も海水の流入がなかったため、塩分など植物の害となる物質が含まれていません。
③ 構造がユニーク
空洞構造がある → 電子顕微鏡で観察すると(近畿大学農学部調べ)、空洞構造が見られました。これが微生物の住みかとなり、水分子を蓄えるほか、表面積が大きくなることで補肥力を助長すると考えられます。
長鎖と短鎖を兼ね備える → 生物学的に活性が高く非常に有用な長鎖フミン酸と、植物に利用・吸収されやすい短鎖フミン酸の両方が含まれています。長鎖フミン酸は微生物によって短鎖フミン酸となり植物に利用されます。
※OMRI:Organic Materials Review Institute (有機生産使用資材審査協会)
下記に、SI-605を使用した主な試験結果を紹介します。
SI-605を添加した培地の上に、表面殺菌した種子を置いて出芽個体数を調査しました。1枚のシャーレに20粒用い、10反復の平均をグラフにしてあります。
グラフはドミネントとL-93の結果です。SI-605を添加することで出芽個体が増加したことがみてとれます。フミン酸の効用の一つに植物体根部への刺激と活性化がありますが、播種から出芽、そして発芽の促進効果もありそうです。
次に、農業分野での試験結果を報告します。
インゲン連作圃場の試験では、SI-605を施用することで、連作障害の緩和が確認されました(写真参照)。この試験では、連作期間が長いほど良い結果が得られています。
レタスの試験では、生育に顕著な差はみられませんでしたが、食味をした半数以上がSI-605施用区のレタスをおいしいと感じました。レタス内の硝酸イオンを測定したこところ、SI-605施用区でその値が低くなっており、えぐみが緩和されたためと考察されます。
Breaktime フミン酸
フミン酸って何でしょうか・・・・・? 本題の前に、土壌有機物の話をしましょう。
土壌有機物は、分解程度によって分解が不十分な動植物遺体と分解が進んだ腐食に
大別されます。腐食はさらに分解程度(分子量)によって、構造が特定できるものとできないものに分けられます。
フミン酸は、土壌有機物の中で分解が進んだ腐食のうち、構造が特定できないものの総称である腐食酸なのです。
上表から、フミン酸(Humic acid)は、土壌有機物(Soil Organic Matter)の腐食物質(Humic substances)の1つであり、同類にフルボ酸(Fulvic acid)と腐食(Humus)があることが分かりました。では、これらは構造が特定できないものの総称と前述しましたがどういうことでしょうか?それを説明するために、一般的な抽出方法を見てみましょう。
この図から分かるように、フミン酸とは土壌有機物の中で、酸に溶けてアルカリに溶けない物質の総称です。
実際、フミン酸を定義する明確な構造式はなく、
〇暗褐色もしくは黒色を呈する。
〇分子量が大きく数千から10万以上になる。
〇カルボシル基やフェノール基など多くの官能基を持っている。
〇芳香環や脂肪族鎖を骨格とし多数の共役二重結合をもつ。
といった特徴を備えた物質の総称とされています。それ故に、どこでどのように作られたか、いわゆる産地が大変重要なのです。
フミン酸に存在する多くの官能基、これこそがフミン酸の最大の武器となります。また、産地や成り立ちによって構造が大きく異なるため、その違いがフミン酸の性能を決定づけます。
SI-605は、これ以上ない良好な地層から採掘されたフミン原体から作られており、その質の良さは類を見ません。
その他の製品
上記製品の他にも下表の製品を取り揃えております。
サンライザーSI-119
各種金属化合物(遷移金属を含む)が主成分です。
SI-605の効果が全く発揮されない土壌に対して使用し、土壌環境を整えることを目標に開発された製品です。
SI-605をより効果的に使うための前剤の位置付けでしたが、悪臭予防等にも広くご使用いただいています。
サンライザーSI-27
酸素供給剤です。これも土壌環境を整えるための製品です。
前述のSI-119、SI-605とのローテーション使用で健全なコース、健全な芝を作り上げます。
サンオリゴンMg
酢酸苦土肥料です。
Mgの補給にご使用ください。
サンオリゴンCa
Caを含んだ液体微量要素複合肥料です。
サングラインMT-150/220
芝刈機のラッピングオイルです。
オイル(潤滑・防錆効果)とコンパウンドが混合された1液型製品です。
以上
ご不明な点等がありましたら、お気軽に弊社SC事業部にお問い合わせください。